タバスコの200倍 世界一辛い唐辛子 ギネス“認定式”

タバスコの200倍 世界一辛い唐辛子 ギネス“認定式”
世界一辛い唐辛子のギネス“認定式”に出席したボスランド名誉教授ギネスブックが06年9月に"世界一辛い"と認定した唐辛子「ブート・ジョロキア」の"認定式"が17日、東京タワー内にある「ギネス世界記録博物館」(東京都港区)で行われた。

同品種をギネスに申請した、"米ニューメキシコ州立大唐辛子研究所"のポール・ボスランド名誉教授が来日。
ジョロキアを「一度だけ食べた」というボスランド名誉教授は、その辛さを「口の中に爆弾が落ちた」と表現。

「声が出なくなり叫ぶこともできなかった」と言い、「もう一度食べたいとは思わない」と話した。


「ブート・ジョロキア」はインドのアッサム地方が原産。
「唐辛子マン(Chileman)」の異名を取るボスランド教授によると、現地の言葉で「幽霊の唐辛子」の意で、「食べると『魂が抜けるほど辛い』ということを表しているのでは」という。
それまでは、「レッドサビナ・ハバネロ」が世界一辛いとされていたが、日本でスナック菓子にも使われているこの唐辛子より更に辛い唐辛子の事をボスランド名誉教授は耳にし、01年にジョロキアの種子を入手した。
「実際に見つかるまでは、ただの伝説かと思った」という。

まさに「幽霊」だ。

 

さまざまな唐辛子ボスランド名誉教授らは種子からジョロキアを栽培し、辛味成分「カプサイシン」の量を測定。

辛さを表す「スコビル値」がハバネロは約57万なのに対し、ジョロキアは100万を超えていることが分かったため、登録を申請したという。
「タバスコソース」のスコビル値は2500 - 5000 (公式サイト)というから、その辛さは段違いだ。
「辛い、つらい、痛い」。

大手菓子メーカー「東ハト」の激辛スナック開発担当者は、ジョロキアの刺激をそう表現した。
東ハトはこれらの唐辛子を使った製品

「大魔王ジョロキア&鬼姫プリッキーヌ」

「暴君ハバネロ&荒くれ勇者ロコト」を21日、全国のコンビニエンスストアで発売する。
製品開発中はジョロキアの粉末が素肌に付くのを防ぐため、ゴーグルとマスク・手袋という“完全防備”で臨んだという。
一体、どれだけ辛いのか。

撮影用の現物を「少しだけ、かじらせてもらえませんか」と申し出たが、真剣な表情で断られた。
イベントの広報担当者は「私もずっと痛くて涙がとまりませんでした」という。
表面を指先でなでてみるとしばらくの間ぽかぽかと温かく、「世界一」の威力がうかがえた。

 

ボスランド名誉教授は、“認定式”で満面の笑みを浮かべ、ジョロキアの展示を除幕した。
名誉教授によると、「純粋なカプサイシンは160万スコビル」「理論的にはもっと辛い品種が存在する可能性がある」という。

激辛の唐辛子には、ほかにも「 SB カプマックス」などがあり、世界一の辛さをめぐってしのぎを削っている。
ボスランド名誉教授は、「もし記録が塗り替えられたら、(新しい品種を) 探そうかな」と、さらに辛さを追求する構えを見せた。


2008年4月18日 毎日JPより