7月後半に入り、山東省のガーリック工場が生産のピークをむかえる中、電力制限が7月16日より
"午前8時~午後8時の間電力を使用してはならない"
もし違反した工場は即刻送電線の切断を実施すると言った内容の通達が来ていました。
一部工場で、停電に備え冷蔵庫の運転補助用に発電機を設置している工場が有りますが、ディーゼルエンジンで発電する為、通常の電気代の約3倍になりコストが非常に高くなるので、積極的に発電機を設置した工場は殆ど有りませんでした。
弊社が代理店契約している工場は、ディーゼル発電機を2機導入し停電に対応しました。
それに加えて、石炭も昨年同時期の倍以上の1500元/トン前後(優良炭)(前払い)になった。
石炭価格上昇の理由は、大気汚染対策として、品質の悪い二酸化硫黄排出量の多い石炭の採掘場が閉鎖された事により、供給不足になった事が最大の理由である。
どの脱水工場も石炭の在庫が少なく石炭の確保に奔走していた。
更に、原油の高騰により包装資材・国内/コンテナー運賃等も値上がりしている。
為替の変動も大きく、昨年同時期と比べ10%以上元高が進んでおり輸出価格に大きく反映しています。今後一層の元高が予想されており、年末には$=6.5を下回るのは確実と言われています。
今後為替の影響も更に大きくなると思われます。
人件費も、昨年1ヶ月800元だった女工さんの給与が、今年1月から保険制度が厳しくなった(保険を会社が負担する)事で、一気に1250元/月まで上がっており、この人件費の影響も見逃せない。
当初、今年は豊作で原料価格が値下がりする予想でしたが、収穫時期に長雨が有り、かなり傷んだ大蒜が多い。
特に、脱水加工用の原料価格は0.25元/斤と安くなっているが、雨の影響を受けて腐り・変色が多く、選別・歩留まりに大きく影響が出ています。
腐った物が多く、使用出来る原料が少なくなった事が原因で、8月10日頃から原料価格も値上がりに転じてきている。
それと今年は気象状況が悪く、連日曇天・降雨で気温が低く湿度が高いので、芽の動きが早くなっており、7月29日に、産地の農家の庭先に積んで有る中に芽の動いた物を見つけました。
倉山の市場でも同様の物を見つけました。
弊社が代理をしている加工場では、8月20日で日本向けのガーリックフレークの生産を打ち切りました。芽の動いた物が混入して、ペーストに加工後青く変色する恐れがあり力価も落ちるので、例年より約2週間早く打ち切る事にしました。
今年は山東省のガーリックフレークの生産に赤信号が灯った状態です。
原料が思ったより悪い。(価格は安いが歩留まりが悪い)
人件費・燃料・輸送等全てが値上がりしています。よって価格が下がる要因が見当たりません。
それと今回のオリンピックに関連した停電による影響で、品質の悪い物(菌数の多い)の混入、芽の動いた原料を使用した物の混入の恐れがあります。
更に、生産量が少なくなった事で、当然価格は値上がりすると思います。
現在旧物(2007年産)は、現状US$1700/MT前後で推移しておりますが、新物については山東省の一部の工場では、既に昨年の価格をオーバーしたオファーも出ています。
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