今年は大椒系の唐辛子の色度が低い!!
今年は栽培面積の減少、それと異常気象により唐辛子の品質が例年に比べかなり低い。
特に色度が低い唐辛子が多く、韓国向けの「タデギ」の色度を上げる事が凄く難しいと工場関係者は話しています。
総経理が11月に各産地を回って農民、集荷業者に聞き取り調査をした結果以下の理由により色値が低くなったと考えられると報告してきました。
夏場(7月~8月)の日照不足(新彊以外の殆どの産地で日照不足だった)冷凍唐辛子の生産が多く1~3番花(色、サイズ共一番品質の良い物)をピックアップして冷凍に加工した(山東省の殆どの産地、遼寧省、吉林省、山西省、河北省、内蒙古の一部)よって色値が平均的にかなり下がった。
内蒙古は収穫途中で10月末11月11日と2回の冠雪によりかなりの被害が有った、特に乾燥の進んでいた唐辛子が水分を吸って生の状態に逆戻りして、寒さで乾かない、それにより退色がかなり進んでいる。
韓国業者の対応
韓国の業者はほぼ毎日のように工場を幾つか訪問して買い付けを進めている。
特に今年は昨年から韓国政府が品質の悪い唐辛子の輸入を阻止するために日本のミノルタ製の色彩をチェックする機器を導入して花皮(白く変色した部分の有る唐辛子)、2~3級品の混入率の高い唐辛子はこの機械でチェックして一定の数字以上の場合はシップバックする事になっており、昨シーズンもかなりの乾燥タデギがシップバックになった。
ウェットタイプ(味噌タイプ)のタデギも水分値をチェックして水分値が45%以下の場合は唐辛子の含有量が多いと判断してシップバックする。
(ウェットタイプのタデギは「唐辛子40%、生ニンニクペースト、生オニオンペースト、塩、水」で作っている)
唐辛子の添加量が多いと当然水分値が低くなる。
唐辛子以外は全て水分の有る物なので、そこで安易に唐辛子含量をチェックする事が出来る。
それ以外の水際チェック項目、鉄分含量10ppm以下、カビ酵母10ppm以下、アフラトキシン陰性、かなりハードルが高くなっている。
この韓国政府の水際チェックの影響で品質の良い唐辛子を使用しないとシップバックになる危険がかなり高く、今年は品質の良い原料が少なくその上に韓国政府の水際チェックが厳しくなった事でかなり苦戦している。
韓国政府の入札動向
来年2010年度の入札は1月中旬にまず第1回を行う予定だそうです。
来シーズンから水分チェックに加え韓国方式の色値チェック方法で一定の色値を超えない場合はシップバックする条件が加わる事になり、今まで未熟の混入が多かった等で国内のユーザーからクレームに政府が対応する事を打ち出した。
その事で韓国政府の買い付けもグレードの高い物しか買わない方向に動き出した、今シーズンは色の良い物が少ない中価格が高くても品質を優先する方向に方向転換する事になりそうで、中国国内の業者も品質の良い物を集めて入札に備えている。
中国国内の色素メーカーの対応今年は色値の高い唐辛子が少なく、色素メーカーは新彊産の物を集中的に買い付けている。
中でもパプリカ系の物に集中しており、色素を採る目的のみに切り替えている工場が多くなっている。
しかしカプサイシンを抽出する目的も同時に行いたい工場は色の良い辛味の有る大椒を集めており、その影響で品質の良い物は価格が値上がりしている。
韓国のグレード向上による影響!
韓国政府の輸入唐辛子の品質向上政策を受けて中国の各メーカーも以前は花皮の良品を買い付けて使用する工場も有りましたが、韓国の水際のチェックが厳しくなった事を受けて良品しか買い付けなくなり、特に色値を自社でチェックして買いつける工場が多くなっており今後色の良い物と色値の低い物の価格差が鮮明になりそうです。
既に市場では新彊産の色値の高い物は一般の物より約15~20%高値で取引されており・・
山東省でも1~3番花の物を冷凍に回した産地の物は色値が低く価格差がでている。
今後韓国市場が色値にこだわった買い付けを行う限り、産地のすみ分けが鮮明になりそうです。
韓国の業者曰く未熟の物の含有量が多いと当初輸入時には見た目の差はそんなに大きくないが冷蔵保管して半年が経過すると未熟の多い物はかなり退色する。
よって加工品に使用した場合唐辛子の添加量を徐々に増やす必要が有り最終的にはコストアップになる。
特に夏場味噌に使うと品質の劣化が早く返品になる事もあると話していました。
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